保護と平等は盾の両面 8
一概に男性の方が強くてたくましいときめつけると、迷惑するかよわい男性も少なくないでしょう。
また現実の職場で、女性の体力ではとてもできないという仕事はどんどん減少してきています。
早い話が、クレーンを操縦できる女性は、重い荷物を運ぶ筋力のある男性以上に働くことができます。
女性向きとされていなかった職場でも、工具を女性でも扱えるように軽くしたとか、背の低い女性でも操作できるよう椅子の高さを変えた、というちょっとした工夫で女性が進出するようになったという例は多いのです。
こういった例を見ると、労働基準法で定めている女子保護の規定のなかでも、現在では合理的な理由があるかどうか、首をかしげたくなるものもあります。
たとえば労基法の68条には、女子が解雇の日から14日以内に帰郷する場合に、使用者は必要な旅費を負担しなければならないと規定されています。
これは女工哀史時代、紡績工場から解雇されても故郷に帰る旅費もなく転落していった女性を頭において定められた規定でしょうが、今日ではいささかピンとこなくなっていますね。
また94条、95条、96条では、寄宿舎生活の自治や寄宿舎生活の秩序、設備および安全衛生についても、きめ細かく定められています。
これも同じように、当時の女子労働者の大半が寄宿舎生活をしていたという状況を頭において規定されたものです。